story78.母屋は環境にやさしい家か

このところ政府は新型コロナウイルスやオリンピックなどの対応に終始していますが、平行して二酸化炭素などの温室効果ガス排出を、2050年にはゼロにするといったカーボンニュートラルの考え方や、2030年には46%削減するといった目標を設定するなど、気候変動問題についても新しい政策を示しています。このような大幅な削減目標を達成するためには、省エネルギーとともに、電源構成を大幅に変える必要があり、これまでの火力発電ベースから、太陽光発電など再生可能エネルギーに転換していくことが必須になります。ただ、天候に左右される再生可能エネルギーに全面的に転換することは難しく、46%削減というのはなかなかハードルが高い目標だと思います。

そのような流れの中、最近、ゼッチ住宅という言葉を良く耳にします。ZEH(ゼロエネルギーハウス)という意味で、住宅の屋根に太陽光パネルを設置して、断熱性能や気密性を良くし、全館空調やオール電化など、電気やガスなどのエネルギーをできるだけ外から持ち込まない住宅のことです。今後、新築の住宅については、ZEHがスタンダードになっていくことと思います。立ち返って、築100年の木造住宅である母屋についてはどうでしょうか。断熱性能は悪く、廊下や階段室など機密でない空間が多く、太陽光パネルを設置できる部分も限られます。そういった意味では、環境にやさしい住宅とは言いがたく、外部からエネルギーを持ち込まないと維持できない住宅であると言えます。ただ、一方で、敷地内にある庭のみどりは生物多様性の維持につながりますし、母屋を維持することは、解体や新築に係るエネルギーや資源を節約することにもなり、そう考えると、環境にやさしい住宅であるとも考えられます。

最近、我が家について、環境面にとって良いのか悪いのかのジレンマを感じることもありますが、懐かしさや癒しを与えてくれるといった気持ちの部分では、残していくことの意義は大きいんだろうと考えています。

Katsuji

KTJパピエ

環境政策 藤井厚二 古民家

0コメント

  • 1000 / 1000